大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(オ)161 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人富岡孝助の上告理由第一、二点について。

原判決は被上告人が上告人に対して負担する第一審判決第一目録記載の不動産の

買受け代金一一〇万円中三〇万円の支払方法として、被上告人所有の第一審判決第

二目録記載の不動産を三〇万円と見積り売買の形式を以つて、上告人に提供しその

所有権の移転をなすことを約したものであつて、これにより右第二目録記載の不動

産の所有権が上告人に移転すると同時に右三〇万円についてその支払を完了したも

のであり、右は第一目録記載の不動産の売買契約の履行に着手したものと解すべき

であるから、その後上告人は契約の解除をすることができない旨判示しており、右

判断は正当である。従つて、右三〇万円について代物弁済が成立したか否かを判示

する必要なく、理由不備の違法ありということはできない。その他の所論は右と反

対の見解に立脚して原判決を非難するものであるから論旨は理由がない。

同第三点について。

原判決は代物弁済の事実を認定していないのであるから論旨は原判示に副わない

ものであるばかりでなく、本件において、代物弁済が成立しなければ契約の履行に

着手したものとはいえないとの所論は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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